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インドのカースト制度
    
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 日本では一般的に、インド独特の身分制度であるカースト制度とは、バラモン(僧侶)、クシャトリヤ(王侯・武士)、ヴァイシャ(平民)、シュードラ(隷属民)という四階層で構成される身分制度であると思われています。この区分はすでに紀元前数世紀頃、古代インドのバラモン教(ヒンドゥー教の母体となった民族宗教)の聖典『リグ・ヴェーダ』の中に見ることができます。この区分はインドでは「ヴァルナ」と呼ばれ、本来は肌の色に由来するものでした。当時インドに侵攻したアーリア人の肌が、土着のドラヴィダ民族に比べ白かったため、自らの肌色を頂点として作り上げた階級制度です。日本語では四姓制度としても知られるヴァルナですが、実際にはこれらの制度に入ることのできないアウトカースト(不可触民・アチュート・ダリット)も存在するため、インドの社会は大きく五つに区分されるということもできます。

 このヴァルナに加え、職業別の階級制度(身分差別)であるジャーティという区分も存在します。サブ・カーストとも呼ばれるジャーティの種類は、一説には2,000とも3,000とも言われます。インド社会を現実的に構成するのは、数え切れないほど細分化された世襲制度ジャーティです。各ジャーティは伝統的な職能集団で、地域社会内ではジャーティ間での分業体制が成り立っています。これに加え、ジャーティの特徴として内婚制(同ジャーティ内での結婚)が挙げられます。この内婚制度は現在でも厳格に守られており、異カースト(異宗教)間の結婚は少数です。このように、インドのカースト制度とは、「ヴァルナ・ジャーティ」制度ということができます。

 この身分制度の根幹を成す考え方として、ヒンドゥー教独特の浄・不浄の概念があります。もっとも身分が高い階級は最高に清浄であり、身分が下がるに従ってケガレも増すという考えです。そして浄・不浄の概念は、これもヒンドゥー教の根幹を成す業・輪廻の概念と抜きがたく結びついています。つまり、現世の身分を決定するのは前世の行いであり、現在の自分に与えられた身分(職業)に没頭することで、来世のよりよい身分が約束されるというわけです。この考え方の枠組みによれば、下の階級が上層階級へ尽くすことこそが、自らを救済する道であるということになります。このことが、いわゆるカースト制度がなかなか消えない理由でしょう。

 独立後のインド憲法ではカースト差別を禁止しており、政府は最下層に置かれた不可触民や先住民の地位向上のため教育、公的雇用、選挙での留保制度といった保護政策をとっています。また近代化や都市化が進みつつあるため、新たな職業への進出等で地域の伝統的な分業関係が崩れ、カースト制度はゆるやかに解体の方向に進みつつあるといってもいいでしょう。しかし村落社会を中心に依然として根強い影響を持っています。   


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