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ナルマダ・ダム開発
    
 1940年代、ジャワハルラル・ネルー首相によって最初の構想ができあがったナルマダー渓谷のダムプロジェクトは、実際には1970年代終盤になってようやく始動しました。マディヤ・プラデシュ州とマハラシュトラ州に隣接する南グジャラートのナルマダ河流域に最終的には大小あわせて3,200ものダムを建設するという計画の中でも最大のプロジェクトが、サルダール・サロヴァール計画です。この巨大プロジェクトはさまざま問題を抱えており、国内外から激しい批判を受けています。

 ダム建設によって利益を受けるのが主に下流のグジャラート州なのに対し、水没するのが上流のマディヤ・プラデシュ州とマハラシュトラ州だということが、この問題を大きくするひとつの要素となりました。下流はインド有数の工業地帯ですが、上流はヴィンディヤ山脈を中心とする山岳地帯が広がっています。この山岳地帯には「アディヴァシ」と総称されるさまざまな先住民が数多く暮らしているのですが、ダム建設によって彼らが先祖代々暮らしてきた土地が奪われるにも関わらず、十分な補償や再定住策が用意されなかったのです。これ以外にも、ダムの建設によって生態系が破壊されるという懸念や、投入した資金に見合う経済的なメリットが見込めるのかという批判も受けました。

 1984年に政府による認可を受けたこのプロジェクトは、世界銀行や日本政府からの援助も受けたのですが、上記のような理由により反対運動が激化し、とうとう1993年には世界銀行からの融資が打ち切られ、それを受けて日本政府も融資を凍結しました。世界各国からの援助がなくなってからは、インド政府は自国の予算で建設を続行しています。

 このプロジェクトを世界的に有名にしたのは、NGOや文化人などによる反対運動です。もっとも著名なものはナルマダ・バチャーオ・アンドーラン(ナルマダ救済運動)で、国際世論に訴えた結果、世銀による融資打ち切りにまで持ち込みました。また、ブッカー賞受賞者である作家アルンダティ・ロイも、激しい言論活動によって国際社会にダム建設の反対を訴えかけました。

 このような世論の中、現在もダムの建設は続けられており、2025年には完成する予定となっています。

<参考ウェブサイト>
ナルマダ・ダム建設公社

フレンズ・オブ・リバー・ナルマダ(建設に反対する団体)


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